2013年12月アーカイブ

昭和の3階建ての酒屋さんの壁に描かれた麒麟。やはりデザインが素敵です。

soraotobukirin.jpg

昭和の酒屋さんは忙しかった。

店を入ると木のカウンターと木の丸いスがあり、そこで昼間から日本酒をちびりちびり飲んでるおじさんがいた。そんなお客さんの対応をしながらも、町内のお得意さんへの配達もしなければならない。なにせ車など持っている家庭は極端に少なかったので、ビールなどは配達を頼むことが多かった。酒屋さんは配達をしながらお得意さんの御用聞きもしなければならない。家庭に電話もなかったからだ。希にお酒を頼むことを忘れていて、父親が帰ってくるまえに母親が気づいたときには、小学生だったわたしは決まってお使いを頼まれた。まだ小さいので、頼まれるのは土佐鶴の5号瓶だった。野犬のいなそうな道を選んで酒屋さんまで歩いて行く。

2階には司牡丹。3階の壁に麒麟。昭和のことを思い出す。麒麟よ。寒風吹きすさぶ年の瀬の青空に敢然と飛んでいくか。


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冷たい水

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昭和30年代頃でしょうか。西海メンタムという塗布薬です。デザインが当時を偲ばせます。

西海メンタム。佐賀県三養基郡基山町の西海製薬株式会社の製品です。効能は切り傷、打ち身、しもやけなどです。ワセリンが主成分のようですね。

saikaimentam.jpg

冬の朝は、顔を洗うのが嫌だった。水道の冷たい水に手を触れるのが怖かった。洗濯も台所仕事もすべて水。水仕事を続けているとあかぎれやしもやけになる。そんなときの万能薬がメンタムだった。しばらくして、万能薬の座はオロナインに取って代わられることになるのだが・・。

水道の水も出ない朝があった。南国土佐でも水道管の中で水が凍るのだ。だから、お風呂の残り湯は大切なものだった。明日の朝は寒くなりそうだという就寝前には、水が凍らないように、台所の流しにバケツを置き、蛇口をほんの少しだけひねった。水道管の中に水流を作ると同時に、水を汲み置いたのである。

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