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昭和からデザインが変わらない路面電車。少しだけレトロな路面電車。

幼稚園の頃,私は一人でこの電車に乗ったことがある。紺色のブレザーに半ズボンを履き,白いあごひもの付いた丸い帽子を被り,座席に膝をついて,窓の外の景色ばかり見ていた。次々に変わる町の風景。電車のモーター音。停留所を告げる車掌さんの聞きなれない声。切符を切る鈍色の金属音。何もかもが愉しかった。やがて,かまどから立ち昇る煙突の煙が紅色に染まり,明かりの灯る家がぽつぽつと増えていく。人々の生活を映しながら車窓の景色は流れ,宵闇が町を覆っていった。

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気がつくと,電車は終着所に着いていた。私は自分がどこまで来てしまったのか全く分からなかった。迷子となり,電車会社の待ち合いに連れて行かれた私は,裸電球の下の長椅子で呆然としていた。

とっぷりと日暮れたあの日の私は,まだジョバンニのこともカンパネルラのことも知らなかった。

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